平成27年度事業報告

1.会議の開催

(1)総会の開催

日 時 会議名 主な議題
平成27年7月24日 第1回
  • ・平成26年度事業報告及び収支決算について
  • ・平成27年度事業計画(案)及び収支予算(案)について
  • ・役員の選任について
  • ・中心市街地活性化に係る本年度の取組について

2.オープンカフェ事業の企画検討

第2期宇都宮市中心市街地活性化基本計画に計上され,新たな中心市街地活性化事業として,食や休憩所による新たな集客スポット「オープンカフェ事業」について,魅力ある都心創造部会で先進地の取り組みを参考にしながら検討を開始した。

(1)先進地(高崎オープンカフェ事業)視察研修の実施

魅力ある都心創造部会と共同開催
【日 時】
  • 平成27年10月19日(月)
【視察先】
  • ・高崎まちなかオープンカフェ事業
  • ・ヤマダ電機本社ビル・イオンモール建設予定地
  • ・イオンモール高崎
【出席者】
  • 27人
【内 容】
  • ・高崎まちなかオープンカフェ事業について

    事業を運営する「高崎まちなかオープンカフェ推進協議会」の事務局である高崎商工会議所から事業について説明を受けた。
    高崎商工会議所 矢澤専務理事,事務局長,商業振興課 細川課長,西山補佐対応。
    平成23年に都市再生特別措置法の一部改正の道路占用許可の特例制度により,要件を満たす事業であれば,歩道上にオープンカフェなどの食事施設を設置することが認められた。
    高崎では,中心市街地の新たな賑わい回遊性の向上,おしゃれのまちを演出するため,市,商工会議所や中心部商店街などによる「高崎まちなかオープンカフェ推進協議会」(事務局は高崎商工会議所,会長副会頭)を組織し,平成25年4月から全国に先駆けてオープンカフェ事業を実施している。
    推進協議会は,社会実験の実施区域や店舗選定,出店ルール,テーブルやイス等の手配方法などを討議し,必要な意思決定を行う組織となっている。

【主な説明事項】
  • ・道路を使ったオープンカフェは高崎が全国で始めて。
  • ・会頭から早く事業を立ち上げろの指示のもとスピード感を持って取り組んだ。
  • ・警察の理解を得るため,社会実験を1ヵ月行った。結果トラブルがなく,道路管理者から与えられた宿題をクリアしていった。
  • ・実施区域は,通行人の安全確保を最優先しテーブルは一店舗最大4台までとした。
  • ・フライヤーを作成し,2つのスタンプで300円の金券の利用が出来る試みも実施している。
  • ・初年度は,地域柄偏見があり,事業を知ってもらうために,ソフト的(音楽)な演出を行っている。
  • ・高崎への視察は昨年30件あった。
  • ・オープンカフェでは,高齢者の休憩場としての利用や,おもてなしの心で夏場はおしぼりのサービスも行っている。
  • ・カフェを中心にした事業所に出店させ,居酒屋の出店は認めていない。
  • ・出店者は,法律を守ってくれるところに事務局から個別に出店をお願いした。
  • ・パラソルの出し入れは,出店者が毎日行う。風が強い日は,飛ばされないようにするなどの苦労がある。以前飛ばされたことがある。
  • ・出店料年2万円の負担をお願いしている。
  • ・統一されたパラソル等は無償で提供する。独自のパラソル等の設置では,金銭的な補填を行う。
  • ・出店者には過度の負担やお願いはしない。専務理事の方針で,金銭的・労力的なものは求めない。
  • ・出店者は店舗前の点字ブロック内にオープンカフェを設置し,営業している。
  • ・オープンカフェの利用者には,ペット連れ,タバコを吸う方,ベビーカーでの利用もあり,店舗内よりも利用しやすいとの声が聞かれている。
  • ・音楽のある街高崎として,オープンカフェ事業とのコラボによる音楽イベントを開催している。
  • ・カフェと居酒屋の違いは,ランチをしているかで線引きしている。
  • ・新規参加者の出店は,既存の出店者が判断している。
  • ・保健所へは,各店舗が申請する。外での調理は認められていない。
  • ・事業の効果では,オープンカフェには年3,000人の利用客があり,通行量が1割増(10,000人)なった。店舗のドアから店に入ることに抵抗がある顧客が外テーブルの利用に結びついたとの声がある。また,カフェがある街として,歩くイメージが上がったとの声も出されている。

(2)オープンカフェミニ社会実験の実施

【目 的】
  • オープンカフェ事業での,ガーデンセットの使われ方や利用状況を検証するため,平成27年度に購入したガーデンセットを直近の事業であるかまがわ川床桜まつりに試験的に設置した。
【日 時】
  • 平成28年4月2日(土),3日(日),9日(土),10日(日)
    午前11時~午後5時
【場 所】
  • かまがわ川床桜まつり会場
    釜川御橋から出雲橋間南側市道
【設置ガーデンセット】
  • 設置数5基
    [サイズ]
    ・テーブル:W685×D685×H720
    ・イス:W425×D620×H910
    ・パラソル:W2480×D2480×H2260
【利用状況】
  •  (単位:人)
    月日・曜日 天気 11:00~14:00 14:00~17:00 合計
    4月2日(土) 曇り 49 22 71
    4月3日(日) 曇り時々晴れ 63 18 81
    4月9日(土) 晴れ 43 19 62
    4月10日(日) 晴れ時々曇り 32 16 48
    合計 187(71.4%) 75(28.6%) 262(100.0%)
    (注)調査は,視点により実施。一日平均利用者65人。4.3回転(イス15脚)

    ①利用者年齢層
    年齢層 20代以下 30代 40代 50代 60代以上
    構成比 26.4% 23.4% 11.9% 15.9% 22.4%

    ②利用者性別
    性別 男性 女性
    構成比 40.5% 59.5%

    ③利用者の関係
    関係 友達同士 家族 カップル 個人
    構成比 20.3% 68.3% 8.9% 2.5%

    ④利用目的
    目的 飲食 休憩
    構成比 57.5% 42.5%

3.中心市街地の低・未利用地に関する研修会の開催

第2期宇都宮市中心市街地活性化基本計画について計上されている「低・未利用地の利活用事業」について,今後の対応策を検討する一助として,研修会を開催した。
【日 時】
  • 平成28年3月18日(金)午後1時30分~3時
【会 場】
  • 栃木県産業会館 2F常議員会室
【テーマ】
  • 「中心市街地の低・未利用地の現状と課題」
【講 師】
  • 宇都宮共和大学 シティライフ学部 学部長・教授  山島 哲夫 氏
    (宇都宮市中心市街地活性化協議会 まちなか居住・市街地整備専門部会 部会長)
【参加者】
  • 27人
【内 容】
  • 中心市街地の駐車場増加は全国的な傾向にある。他県の中核市の駐車場用地は,10年前には高崎市で15.5%,山形市は13.0%だった。宇都宮市中心部で約10%に達しており,他県の中核都市ほどではないが宇都宮も確実に増えている。少子高齢化,人口減少傾向にある中心市街地では,土地や建物を相続しても管理の問題もあり,費用と手間が掛からないコインパーキングにする例が多くなっている。
   低・未利用地の活用に向けて(調査研究),
  • ・低・未利用地が生じている実態の詳細な調査研究
  • ・他都市の低・未利用地の実態把握
  • ・宇都宮市の中心市街地の低・未利用地の特徴の把握
  • ・他都市における対策の効果等の検証
  • ・宇都宮市で実施すべき施策の検討
  さらに,低・未利用地の活用に向けて,
  • ・LRT等の公共交通の充実
  • ・クルマ中心社会からの脱却
  • ・まちなかの施設の充実
  • ・まちなかの賑いづくり
  • ・まちなか居住の推進 など
  • これらの施策は,どれも重要で意味がある施策であり,相互に関連している。
    中心市街地の低・未利用地を減少させ,まちなかを活性化させるためには,一つの施策だけに力を入れても十分な効果は期待できない。
    現在進めている様々な施策を地道に,かつ,適切に組み合わせながら,進めていく必要がある。